座敷机の塗り替え作業

座敷机の塗り替え作業

この座敷机も長年来のお得意様からのご依頼で修理更生いたしました。

【お客様の声】
両親が高価なものだからだいじにしなさい!ということで最初はどの程度きれいになるか半信半疑でしたけど、思った以上に奇麗になったので驚きました。

修理前・ビフォー
天板に割れが有り、油が出ている状態。うるし塗装前が大変な作業です。

修理後・アフター
着色後、拭きうるしをして仕上げます。

まずは修理前の机の状態です。
こちらの机はそんなに痛んでないように見えますよね。天板の奥の方が白くなっています。ほとんどの天板が一枚(端から端まで)が一枚の木ではなく、足しているのですが一番奥の木は、元々他に比べ白いのでそれが時間と共にでてきてこのようになっております。全体的に艶は無い状態です。しかしこの机には重大な問題が机の裏にありました。

天板の色と違う部分です。
見ていただくと綺麗に境界線がわかるくらい明暗の差がありますよね。右と左の木の色が違う結果このようになります。天板の周りを囲む枢と呼ぷ部分を合わしている部分が白い線が見えます。(斜めに見える線)これは木が縮んで隙間が見えています。ほとんどの机が隙間があります。お持ちの机も一度、爪を当てながらさすってみてください。引っ掛かると思います。

小さな木の割れをまず修理です。
先ほど必ず隙間があると言いましたが、木の中の水分が抜けていきます。その時に木は縮むのですが、引っ張り合い、木が割れてしまいます。天板の全体の写真です。割れている所を一度切り、紫檀の粉を埋め、接着剤で固めます。見ていた だくとこれだけ割れています。目で見えない割れは天板に粉を少し撤いてさすってみてください。隙間に粉が入ります。粉は片栗粉など白いとわかりやすいです。

大問題・天板の裏
座敷机の天板は心材に唐木材を貼っています。この机の裏はそれが剥れてきていました。接着がよくなかったようです。
これは机をばらす必要があるので脚部と天板を外しました。そしてきちんと貼り直しをするため一度全部剥がしてしまいます。

一枚づつきちんと固定。
一度剥がして、以前の残った接着剤を結麗に掃除をします。以前の接着剤が残っていると、それが原因でまた剥れてしまいます。ゴミ掃除ですね。それが終わると新しい接着剤を塗り一枚づつ丁寧に固定していきます。今の接着剤は本当に強いですね。間違って剥がす時が大変です。

裏面も綺麗に
接着後、天板の表と同じく割れの修理を終え、以煎の塗装(漆など)を剥がしサンダーで半巨にしておきます。
それが終われば次は暦きをかけていきます。
磨きはペーバーで擦っていくのですが、唐木材は磨くだけでも光ってきます。それだけ木の目が詰まっているからです。

脚部と天板の固定
すべて割れなど修理を終えて、外していた天板と脚部の固定です。
指物はきちんと固定しないとネジでとめているのではないので、また外れてしまうおそれがあります。
言い換えればまた外せるので修理ができるというのも事実です。

固定された座敷机
固定された磨きも終えた状態です。以前の塗装(漆など)を剥がした状態で見ると一番初めの写真で天板の色が違う部分がありましたよね。
見ていただくとわかるように木地の色が違うのがわかります。
仕上げの時にその色差を無くすようにしていくのが綺麗ですね。

漆塗り(摺り漆塗り)
職人が漆を塗っている写真です。唐木の塗りは生の漆を塗る(摺り漆塗り)です。塗っては拭き取り、そして室と呼ばれる(湿度が高く・室温も高い)部屋で乾燥させます。漆は温度や湿度が低かったりすると固まりません。梅雨時はすばやく作業しないといけません。この塗りエ程を数回繰り返し、漆の層を厚くし、より光沢を出します。

修理完成の各部の写真
漆を塗り終え出来上がった座敷机の写真です。修理前の机と比べると全体の色が濃くなっています。これは弊社では、仕上がり後の商品の色差(木の部分の色の差)が無いほうが綺麗だと感じているからです。色を木地より薄くするのは薬でできますがあまり良くないのでしません。ですから色の濃い所にあわせます。
それと漆は空気に触れていくと黒くなっていきます。ですから生漆を塗ると仕方なく仕上がりは濃くなります。
座敷机は濃いほうが高級感もあり昔から濃く仕上げられている物も多数あります。昔、着色にお歯黒を使われている物もありました。

HOME > 家具修理事例:家具塗装(塗り替え) > 座敷机の塗り替え作業

お問い合わせ・ご相談はこちらから

お気軽にご相談ください。
0120-87-2910
携帯からのご連絡は06-6332-8823
06-6332-8823
【受付時間】10:00〜17:00
【定休日】日曜・祝日・お盆・年末年始
メールフォームからのお問い合わせ